スキーインストラクターの在留資格

外国人観光客の増加に伴い、近年はインバウンドのお客様に対応するために働く外国人の方も増えています。ホテルなどの宿泊業では多くの外国人従業員が活躍していますし、冬のスキーリゾートでは、スキーのレッスンを行う外国人スキーインストラクターを見かけることもあります。
日本のスキーリゾートは外国人観光客からの人気が高いですが、日本とは季節が逆の南半球に住むスキーインストラクターにとっては、年間を通してスキー指導の仕事ができる場でもあります。
このコラムでは、外国人スキーインストラクターを採用したいと考えているスキーリゾートの皆さまに役立つ情報をお届けします。
スキーインストラクターの在留資格には「特定活動(告示50号)」と「技能」がある
外国人の方が日本でスキーインストラクターとして働くための就労資格としては「特定活動(告示50号)」と「技能」があります。その他、身分系の在留資格(就労制限なし)で既に日本に滞在している方や、「留学」や「家族滞在」で在留している方が「資格外活動許可」を得て週28時間以内のアルバイトとして働く方法もありますが、ここでは、スキーインストラクターとして働くために新たに日本にやってくる場合を想定します。
「特定活動(告示50号)」と「技能」の違い
「特定活動(告示50号)」は2020年に告示された比較的新しい特定活動です。それ以前は、日本でスキーインストラクターとして働くためには、在留資格「技能」の許可が必要でした。
「技能」というと、料理人として来日する方が多いイメージですが、在留資格「技能」に該当する職業は幅広く、外国料理の調理の他、”産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動”として、外国特有の技能・技術を必要とする職業、動物の調教師、パイロット、ソムリエ、スポーツ指導などが含まれます。
現在でも、「技能」の在留資格でスキーインストラクターを行うことは可能ですが、スポーツ指導者としての「技能」に求められる要件は、「特定活動(告示50号)」よりも厳格であるため、目的とする活動内容が同じであるなら、「特定活動(告示50号)」での申請で差支えありません。
「技能」では、スポーツ指導者として3年(36ヵ月)以上の実務経験を証明することが求められますが、スキー指導は年間通して従事することが難しいため、特に若い指導者にとっては他のスポーツよりもハードルが高くなっています。
「特定活動(告示50号)」はそういった事情を踏まえ、拡大するインバウンド需要に対応するために作られた、1シーズン限りの滞在を想定した特別な在留資格です。
スタート当初はコロナ禍のためにほとんど利用されなかったようですが、現在は毎年一定数の方がこの在留資格で入国しています。
「特定活動(告示50号)」(スキーインストラクター)とは
以下の要件を満たしていれば申請可能です。
1.公益社団法人日本プロスキー教師協会(SIA)が認定する次のいずれかの資格または、これらと同等以上の資格を有すること
- アルペンスキー・レベルI
- アルペンスキー・レベルII
- アルペンスキー・レベルIII
- アルペンスキー・レベルIV
上記以外、対象となる資格一覧についてはこちらを御覧ください。(PDF:85KB)
※国際資格の他、日本、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、ドイツ、英国、イタリア、ニュージーランド、韓国の国内資格が認められています。
2.日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
3.18歳以上であること
許可される在留期間
- 予定する活動期間が3ヵ月を超える場合⇒「6月」
- 予定する活動期間が3ヵ月以内の場合⇒「3月」
「予定する活動期間」とは雇用主との契約期間などのことですが、スキーシーズンのみの期間限定の滞在を前提としているため、在留期間の更新(延長)は原則として認められていません。ただし、在留期間「3月」を決定された方については、合理的な理由がある場合に限り1回の更新は認められます。
同じスキースクールで来シーズン再び働く場合でも、今シーズンが終わったら一旦帰国し、再度、COE申請(在留資格認定証明書交付申請)をおこなう必要があるということです。
なお、在留資格「技能」の場合であっても、在留資格で認められた活動(この場合であればスキーの指導)を行わずに3ヵ月以上日本に在留していると在留資格の取消し対象になるため、年間通して日本に滞在するのは難しいものと思われますので、この点はどちらの在留資格でも同じです。
スノーボードの指導を行う場合は在留資格「技能」が必要
では、スキーインストラクターが在留資格「技能」を取る意味はあるのでしょうか。
「特定活動(告示50号)」の活動は、アルペンスキーの指導に限られているため、スノーボードの指導はできません。スノーボードの指導を行う場合、またはスキーとスノーボード両方の指導を行う場合は、必要な実務経験等も証明して、在留資格「技能」を取得する必要があります。
海外からスキーやスノーボードのインストラクターを呼び寄せるときは「在留資格認定証明書交付申請」が必要です。「特定活動(告示50号)」または「技能」の申請について、ご不明な点などございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
参考:
在留資格「特定活動」(スキーインストラクター) | 出入国在留管理庁
在留資格「技能」調理師以外の活動(産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動)を行おうとする場合 | 出入国在留管理庁
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