永住許可申請中に状況変化があったとき
永住許可申請は審査に時間が掛かるため、許可が出るまでの間に様々な状況変化が起こることもあります。申請中に在留期限が近づいてきた場合は、在留期間満了日よりも前に在留期間更新許可申請を行う必要があることは勿論、勤務先や家族の状況が変わったときなど、届出や差し替え資料の追加提出が必要になることもあります。
このコラムでは、現在、永住許可申請中の方、これから永住許可申請をしようとしている方に知っておいて頂きたい、お役立ち情報をお届けします。
「了解書」で確認していることを忘れずに!
永住許可申請のときに提出する必須書類の一つとして、「了解書」があります。
「了解書」で何を了解するのかというと、「審査結果を受領するまでの間に以下の点について変更が生じた場合には、速やかに申請先の出入国在留管理局の連絡する必要がある」ことです。
審査結果を待つ間、以下の状況に変更があった場合は連絡が必要
- 就労状況(例:所属機関からの退職や転職があった場合など)
- 家族状況(例:離婚、同居家族との別居、新たな同居など)
- 税金、年金保険料および医療保険料の納付状況(例:滞納など)
- 生活保護等の公的扶助を受けることとなった場合
- 刑罰法令違反により刑が確定した場合
「了解書」の注釈には「事情の変更について連絡しないまま永住許可を受けたことが判明した場合、当該永住許可が取り消されることがあります。」とも書かれています。
では、どんな連絡をしたら良いのでしょうか?
「届出」など所定の手続きは必須
よくある例としては、就労資格をもって在留している方の転職です。この場合、永住申請中であるか否かにかかわらず、基本事項として「所属機関等に関する届出」が必要です。また、現在の在留資格と転職後の活動内容によっては、転職に伴って「在留資格変更」が必要な場合もあります。いずれにせよ、先ずは所定の手続きを期限内に完了させましょう。「在留資格変更」が必要な場合は、新しい仕事を始める前に変更が完了していること、「届出」は所属機関からの離脱後14日以内、新しい所属機関への移籍後14日以内に行うことが求められています。
その上で永住許可申請のときに提出した内容から変更がある場合は、差し替えや追加資料の提出が必要となりますので、新しい在職証明書、年金保険料や健康保険料の支払状況などを用意して、申請先の出入国在留管理局に自主的に早めに追加提出することをおすすめします。転職の際は、切り替えのタイミングで年金保険料や健康保険料の未納や遅納が発生しないよう細心の注意を払ってください。
家族状況の変更については、より深刻なケースになる場合が多いかと思います。在留資格が「家族滞在」、「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の方については、配偶者と離婚または死別した場合、14日以内に「配偶者に関する届出」をおこなうことが義務付けられています。配偶者に扶養されている方や、在留資格が「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」であることが永住許可の要件として不可欠な場合は、離婚や死別により永住許可は難しくなることが予想されます。
しかしながら、この届出を行わずに許可を受けた場合は、あとから永住許可が取り消される可能性がありますし、在留資格にかかる活動を一定期間行っていない場合は在留資格の取消し事由にもなってしまいます。このような場合、届出は正しくおこなった上で別の在留資格への変更等の対応を行うのが得策でしょう。
「届出」の義務がない状況変化にも注意が必要
「届出」の義務がない場合でも、永住許可申請中に、同居していた家族と別居することになった場合や、新たに誰かと同居することになった場合には、申請先の出入国在留管理局に速やかに連絡する必要があるとされていますが、これはどういうことなのでしょうか。
「家族滞在」、「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格を配偶者の立場で得ているのであれば、基本的には配偶者と同居していることが、配偶者としての活動を行っていることの裏付けとなります。また、扶養家族の数の増減や同一世帯内での社会保険料の納付状況も、永住審査では重要なポイントとなります。これらの状況に変化があった場合は、変更後内容にもとづいて許可されたものでなければならないということです。
在留期間更新や在留資格変更を行う場合の留意点
永住許可申請中に在留期間更新や在留資格変更を行う場合も注意が必要です。永住申請の時点ではその時の在留資格で最長(2027年3月31日までなら3年以上)の在留期間が付与されていたとしても、次の更新や変更で必ずしも最長の期間が与えられるとは限りません。
就労資格の場合は契約期間が短くなれば、付与される在留期間も短くなる可能性がありますし、新しく身分系在留資格に変更した場合、初めは1年という可能性もあります。
新たに付与される在留期間が申請時点よりも短くなり、永住申請の要件を満たさなくなるリスクはできるだけ避けるべきでしょう。永住許可申請は審査期間が非常に長く(通常1年以上)掛かりますので、できれば余裕をみて在留期限まで3年くらいはある時期で、当面転職などの予定がないときに行うことをおすすめします。
まとめ
永住許可申請では、先ずは申請中にマイナスの状況変化が起こることや、煩雑な対応が必要になることがないよう、計画的に準備を進め、適切なタイミングで申請を行うことが大切です。
そして、万が一、やむを得ない事情で就労状況や家族状況などに想定外の変更が発生してしまった場合は、速やかに所定の手続きを確実に行い、状況を悪化させない誠実な対応が求められます。
参考:
永住許可申請 | 出入国在留管理庁
手続の種類から探す | 出入国在留管理庁
在留資格の取消し(入管法第22条の4) | 出入国在留管理庁
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