在留許可手数料の改訂案が公表されました
先日(2026年7月3日)、出入国在留管理庁のホームページで在留許可手数料の正式な改定案が公表されました。本年1月23日に決定された「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」の中でも、「令和8年度中に在留許可手数料を見直して引上げを実施し、外国人に関わる各種施策・出入国在留管理の体制を強化・拡充する」とされていましたが、これがいよいよ具体的に実施されるということです。施行日は令和8年(2026年)10月1日とされています。
許可手数料改定案の金額
現在、在留資格変更許可と在留期間更新許可の入管手数料は一律6千円(窓口申請の場合)ですが、改定案では許可される在留期間の長さによって、1万円(3月以下)~7万5千円(5年以上)になるとされています。オンライン申請による割引金額は、これまで一律500円だったものが、0円(3月以下)~1万円(5年以上)と在留期間が長いほど概ね大きくなります。
また、永住許可申請については、現在の1万円から20万円へと大幅な値上げになります。
詳細は以下の通りです。

「変更・更新」許可手数料の内訳
在留資格変更許可と在留期間更新許可の手数料(1万円~7万5千円)の内訳は、以下のように説明されています。
- 審査に要する実費:1万円程度(人件費、システム開発・運用費、事務費等)
- 応益的要素:1年当たり2万円程度
- 政策的要素:オンライン申請促進のための割引
②の応益的要素は、「外国⼈の出⼊国及び在留の公正な管理に要する費⽤の額」を年間572億円程度と見込み、これを中⻑期在留外国⼈数(永住者及び特別永住者を除く)の約291万人で割った金額ですが、この部分は単純に在留期間に比例して増やすのではなく、 「在留状況が良好な外国⼈に対する優遇措置として、在留期間が⻑くなるほど応益的要素としての額の増加の割合が低くなるようにする」と説明されています。
許可される在留期間は、申請する時に本人の希望は出しますが、必ずしも希望通りになるとは限らず、「3年」を希望しても「1年」しか許可されないこともあります。在留状況が良いと希望通り「3年」が許可されるところが、何か問題があり「1年」になってしまうような場合、入管手数料が割高になり、更に、また1年したら更新手数料が掛かるという仕組みなのですね。
なお、実務的な問題として、許可通知が届くまでは手数料の金額が確定しない場合がありそうです。
③の政策的要素は、申請者の利便性の向上や窓口の混雑緩和のため、更なるオンライン申請の利用促進を図る目的で、オンライン申請と窓口申請の場合とで手数料に差額を設けているとのことです。
「永住」許可手数料の内訳
永住許可の手数料20万円の内訳は、以下のように説明されています。
- 審査に要する実費:2万円程度
- 応益的要素:18万円程度
①の審査に要する実費は、在留資格変更許可等と比べて審査に時間が掛かるためにそれよりも高くなっているとのこと。②の応益的要素は、永住許可を受けた後の在留期間の平均が13.5年程度であることから、在留期間が5年の場合(6万円)の3倍の18万円程度という計算だそうです。
他国と比較すると
参考として他国で同様の許可を得るのに必要な費用も紹介されており、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、イタリア、ドイツ、韓国の7か国の例が挙げられています。単純比較はできませんが、アメリカ、イギリスよりはまだ明らかに安いものの、カナダよりは場合よっては高くなるかも知れず、フランス、イタリア、ドイツよりは高くなる印象です。そして、お隣の韓国よりは明らかに高くなります。
アメリカ、イギリス、カナダなどは英語圏の国なので、そこでの留学や就労を通して身に付けた英語力が、その後、多くの別の国での就労の機会につながる可能性も高く、高い費用を払っても在留許可を得たいと思う人も多そうです。そういった背景も踏まえると、個人的な意見ではありますが、他国との比較で見ると日本にはそのような強みがない割には少し強気の値付けになっているような気がします。
外国人から選ばれる国になることがますます重要
人手不足解消の手段として外国人の受入を拡大しようとしている現在、そのための施策や出入国在留管理の体制を拡充するためにも、財源が必要であることはある程度納得できます。とは言え、この値上げによって人材獲得競争に不利になってしまっては本末転倒です。値上げ後は、これまでにも増して外国人から選ばれる国になる施策が必要だという思いを強くしました。
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