永住申請で必要な書類の集め方(税金や公的保険料に関する書類について)

外国人の方が永住許可申請を行うときには、たくさんの書類を提出しなければなりません。特に税務署や年金事務所などで、はじめて聞くような名前の書類を発行してもらわなければならないとなると、一体どうしたらよいのか心配になると思います。今回はそうしたお悩みに役立つ情報をお届けしたいと思います。

永住申請では以下のような書類の提出が求められますが、取得方法がわからない方は、ぜひ参考にしてください。

これらは永住許可の要件の1つである「公的義務を適正に履行していること」を審査するための書類です。

「適正に」という点に注意が必要で、未納や滞納がないことは勿論ですが、遅納(期日よりも遅れて支払ったこと)があるだけでも不許可の理由となります。永住許可申請を行うときは、証明が必要な期間についてすべて期限内に納付していることを書類で確認できるようにしましょう。

なお、ここでは就労資格の方が「10年以上在留」の条件を満たして申請を行う場合の一般的な例で説明しますが、特例により在留期間の条件が緩和(短縮)される方については、それぞれ「直近●年分」のところが、求められる在留期間を超えない年数分になるとお考えください。

住民税の納税証明書

住民税については、お住まいの市区町村から発行される「課税(または非課税)証明書」と「納税証明書」が必要です。

原則、直近5年分とされていますが、市区町村によって直近5年分の証明書が発行されない場合は、発行される最長期間分でも良いとされています。また、1年間の総所得と納税状況が記載されたものであれば、どちらか一方で良いとされていますが、総所得が課税証明書にしか記載されていない場合など、各年度について両方必要な場合は、2種類(2通)を5年分ですので、合計10通の証明書が必要となります。

発行場所

お住まいの市区町村の役所の窓口の他、マイナンバーカードをお持ちの方であれば全国のコンビニエンスストア等のマルチコピー機でも発行可能です。ただし、役所の窓口では直近5年分発行できても、コンビニでは直近3年分しか発行できない場合があります。コンビニで発行できない分も窓口では発行可能かどうか、確認した方が良いでしょう。

なお、別の必要書類である「住民票」も、同様に市区町村の役所の窓口およびコンビニで発行可能です。どちらも発行手数料はコンビニの方が少し安いので、マイナンバーカードをお持ちの方は、コンビニで発行可能な分についてはコンビニを利用するのがおすすめです。

自分で納税した期間がある方は納付年月日が確認できる書類も必要

住民税の納税方法は2種類あります。

  • 普通徴収個人事業主やフリーランスの方が自分自身で直接納税する方法。
  • 特別徴収:会社などが従業員の給与から天引きを行って納税を代行する方法。

直近5年間すべて「特別徴収」だった方は、「課税証明書」と「納税証明書」だけで良いのですが、「普通徴収」だった期間がある方は、その期間について納付年月日が確認できる通帳の写しや領収証書などの提出も必要です。年4回の法定納付期限(6月末、8月末、10月末、翌年1月末)に遅れずに支払っていることを確認しましょう。

国税の納税証明書

国税については、税務署から発行される「納付証明書(その3)」という書類が必要です。「納付証明書(その3)」は、証明日の時点で「未納がないこと」を証明するものです。永住許可申請では、以下の5つの税目(5種類の税金)に関する「納付証明書(その3)」が必要になります。対象期間の指定は必要なく、税目を複数指定しても発行される証明書は1枚です。

  • 源泉所得税及び復興特別所得税
  • 申告所得税及び復興特別所得税
  • 消費税及び地方消費税
  • 相続税
  • 贈与税

「納付証明書(その3)」は、住居地を管轄する税務署で発行してもらいます。

発行してもらうためには、オンラインまたは書面で交付請求を行う必要があります。

(1)オンラインで交付請求する場合

オンラインでの交付申請にはマイナンバーカードが必要ですが、税務署に行く必要がなく証明書をPDFでダウンロードすることができます。交付手数料はインターネットバンキングかPay-easy(ペイジー)対応のATMで支払います。

オンラインで交付申請をして、税務署の窓口で受け取ることも可能です。その場合は、①本人確認書類(在留カードなど)、②マイナンバーカード、③交付手数料(1枚370円)をもって行きます。

⇒詳しくは、国税庁ホームページに掲載されている以下の資料をご参照ください。

 スマホで申請!永住許可申請のための納税証明書【英訳付】(令和6年10月)(PDF/10,591KB)

(2)書面で交付請求する場合

住居地を管轄する税務署の窓口で行う方法と郵送で行う方法があります。

⇒住居地を管轄する税務署は、国税庁ホームページ「国税局・税務署を調べる」で確認することができます。

税務署の窓口に行く場合

窓口に行く場合は、住所地を所轄する税務署に以下をご持参ください。

「永住申請のために必要です」と伝えて相談しましょう。

  1. 納税証明書交付請求書(PDF/151KB) ・・・わかる部分だけでも記入して行くとスムーズです
    記入例:個人納税者(ご本人が請求書を持参する場合)(PDF/201KB)
  2. 交付手数料(1枚400円)分の収入印紙 (オンライン請求より少し高い)
    ※窓口の場合は現金も可
  3. マイナンバーカード 
    ※お持ちでない方は、在留カードと個人番号確認書類(通知カード)
郵便で請求する場合 

郵送の場合は、住所地を所轄する税務署に以下の書類等を送付します。

送付する封筒の表面には「納税証明請求在中」と記載してください。

  1. 納税証明書交付請求書(必要事項記入済のもの)
  2. 交付手数料(1枚400円)分の収入印紙
  3. 個人番号確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード)の写しと、本人確認書類(在留カード)の写し
  4. 切手(定型郵便110円)を貼った返信用封筒

参考:G-1 納税証明書の交付請求手続|国税庁

公的年金(国民年金・厚生年金)の納付状況に関する資料

公的年金に関する書類は年金事務所で無料で発行してもらえます。

お近くの年金事務所に出向いて発行してもらうことも可能ですが、電話で依頼すれば郵送してもらえますので、この方法がおすすめです。

発行してもらう書類は以下の3点です。はじめに「永住申請のために必要です」といって、以下の3つの書類の発行をお願いしましょう。ずっと会社員だった方など国民年金に加入していた時期がない方は、②③の記録はない場合もあります。

  • 被保険者記録照会回答票
  • 被保険者記録照会(納付Ⅰ)
  • 被保険者記録照会(納付Ⅱ)

発行を依頼するには、基礎年金番号がわかる書類本人確認書類が必要です。電話をかけるときもこれらの書類を手元に用意してお問い合わせください。

⇒近くの年金事務所を探す 全国の相談・手続き窓口|日本年金機構

なお、マイナンバーカードをお持ちの方はマイナポータルからの連携で「ねんきんネット」にログインすれば、上記の書類の代わりとなる資料をPDFでダウンロードしたり印刷したりすることもできますが、可能であれば上記①~③の書類を取得したほうが分かりやすいかと思います。

公的医療保険(国民健康保険、健康保険など)の保険料納付状況に関する資料

会社員の方などで給与天引きされている場合は被保険者資格を確認できる書類だけで済みますが、ご自身で払っている場合は未納・遅納がないことを証明する書類も必要となります。

健康保険証情報については、「マイナ保険証」をお持ちの方であればマイナポータルで確認することができます。「マイナ保険証」をお持ちでない方は、「資格確認書」という紙のカードがあることを確認してください。

(1)現在、健康保険に加入している方(会社員など)

必要書類は以下の通りです。

①-a) マイナ保険証をお持ちの方

 マイナポータルの健康保険証情報から確認できる「資格取得年月日」が確認できる画面の写し(3か月以内のもの、世帯全員分)

①-b) マイナ保険証をお持ちでない方

「資格確認書」の写し(世帯全員分)

直近2年間に国民健康保険に加入していた時期がある方は、その期間についての下記(2)②③が必要になります。

(2)現在、国民健康保険に加入している方(自営業、フリーランスなど)

必要書類は以下の通りです。

①ーa) マイナ保険証をお持ちの方

 マイナポータルの健康保険証情報に記載の「資格取得年月日」が確認できる画面の写し(3か月以内のもの、世帯全員分)

①-b) マイナ保険証をお持ちでない方

 「資格確認書」の写し(世帯全員分)

②「国民健康保険料(税)納付証明書」 【直近2年分】

お住まいの市区町村の役所で申請して発行してもらいます。

③「国民健康保険料(税)領収証書」(写し)【直近2年分】

必要な期間分の領収書等をすべてご自身で保管していることをご確認ください。

(3)直近2年間に社会保険適用事業所の事業主である期間があった方

上記(1)、(2)に加え、更に以下のいずれかの提出が必要です。

ア)健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し)【直近2年分】
イ)社会保険料納入証明書 【直近2年分】

社会保険料納入証明書は、年金事務所(厚生年金・健康保険)または各市区町村(国民健康保険・国民年金)から発行される書類で、事業主からの申請にもとづいて発行されます。

※健康保険組合管掌の適用事業所であって、上記イ)を提出する場合は、イ)に加え、管轄の健康保険組合が発行する健康保険組合管掌健康保険料の納付状況を証明する書類も必要です

まとめ

以上、税金や公的保険料等の納付状況を確認するために必要な書類とその取得方法などについて、まとめてみました。書類の発行を依頼する先も市区町村の役所、税務署、年金事務所など複数あり大変ですが、これまできちんと税金や保険料を納めてきた方は、所定の書類を一つひとつ集めるだけです。手持ちの領収書などのコピーを提出する場合は、分かりやすく整理して、必要な分がすべて揃っていることを確認しやすいようにして提出することも大事です。

なお、国内で発行された証明書については発行日から3ヵ月以内のものを提出しなければならないというルールがあります。証明書を発行してから3ヵ月以内に入管への申請ができなかった場合は再発行が必要となってしまいますので、計画的に準備を進めていきましょう。

そうは言っても、やっぱり自分で書類を集めるのは難しい方、永住許可申請のサポートをご希望の方は、行政書士にご相談ください。