在留資格「特定技能」を目指す方の動向について

先日、出入国在留管理庁より、「外食産業分野」における「特定技能1号」の受入れ一時停止措置が発表され驚いております。現場ではまだ人手不足感があり、困惑が広がっているようです。一方、在留資格「特定技能1号」全体で見るとまだまだ受入れ人数の上限には程遠い分野が多く、引き続き受入れ拡大中です。

一時停止措置の発表と同日(2026年3月27日)に、2025年12月末時点の在留外国人数の統計データも公表されています。それによると、過去最高を更新するとともに初めて400万人を超え、総計4,125,395人(前年末比9.5%増)、中でも、増加数、前年比共に大きく伸びている在留資格が「特定技能」です。(1号、2号合計で390,296人、前年差+105,830人、前年比+37.2%)専門的・技術的分野の外国人を積極的に受入れるという政府の方針に基づき、人手不足が見込まれている産業分野においては今後も拡大が予想されます。

「特定技能」として入国する人の割合が増えている

在留者数が大きく伸びた「特定技能」ですが、現在、「特定技能」の在留資格で日本に滞在している方には、もともと別の在留資格で日本に住んでいて在留資格変更で「特定技能」になった方と、「特定技能」の在留資格で新規に入国した方がいます。内訳はどのようになっているのでしょうか。

「特定技能」という在留資格ができた当初(2019年)は、ほとんどが他の在留資格(主に「技能実習」)からの変更でしたが、2025年12月末のデータでは、「特定技能」として入国した方も半数近くまで増えています。

「特定技能」で在留している方の内訳
  • 国内で「特定技能」に変更した方:211,155人 (構成比:54%)
  • 「特定技能」として入国した方:179,141人 (構成比:46%)←割合拡大中

なお、国内で変更した方が減少しているのではなく、人数はこれまでのところどちらも年々増加しています。

<参考>

「特定技能」を目指す人材は多様化している

「特定技能」として入国した方の中には、海外の大学や専門学校等で教育訓練を受けて来た方の他、過去に「技能実習」を終えて一旦帰国していた方が再度「特定技能」として入国するケースもあるようです。また、国内で「特定技能」に変更した方については、これまでの主流だった「技能実習」からの変更だけでなく、「留学」からの変更も増えているようです。試験制度が整備されたり、受入れ拡大の要請を受けて流入ルートが拡大していることが伺えます。

「技能実習」を修了した方の試験免除について

「特定技能1号」で求められる技能水準と日本語能力水準は、基本的には試験の合格によって証明する必要がありますが、「技能実習2号を良好に修了している(技能実習を計画に従って2年10月以上修了している)」ことが証明できればこれらの試験は免除されます。そうなると、試験免除の制度を使って、「技能実習」から「特定技能1号」への変更を目指していた方は、今後(2027年4月から)、育成就労制度が始まるとどうなるのか心配になると思いますが、当面、この試験免除の取り扱いはなくならないようです入管HPのQ&Aでも、「育成就労制度の運用開始後であっても、当分の間は、技能実習2号を良好に修了しており、従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる場合、特定技能1号に移行することができます」と説明されています。

育成就労制度への移行後はどうなる?

育成就労制度の運用開始後に、在留資格「育成就労」で入国したり、他の在留資格から「育成就労」に変更した方については、もはや「技能実習」ではありませんので、試験免除はなく、一律に技能試験及び日本語能力試験の合格が「特定技能1号」への移行の要件となります。しかしながら、これまでの「技能実習」からのルートと同様、「育成就労」から試験を経てのルートで、「特定技能1号」に変更して、日本で働き続けたい方・働いてもらいたい方は多いかと思います。そもそも、「育成就労」は、特定技能制度と同じ特定産業分野(国内での人材確保が困難な産業分野)の中で、日本国内での就労を通じて技能を習得させることが相当である分野に限って外国人を受け入れるための新しい在留資格であり、制度的にはこれまでよりも「特定技能」と地続きになっています。そのため、「特定技能1号」への移行に必要な技能・日本語能力の試験に不合格となった場合は、最長1年の範囲内で、一定の在留継続が認められる可能性もあるとのことです。

育成就労制度への移行後は、3年間「育成就労」で働きながら技能や日本語を習得し、その後、即戦力として「特定技能1号」で来日する方と同様の試験を経て、「特定技能1号」で最長5年、そして、更に、在留期間更新の上限なしの「特定技能2号」へと、継続したキャリアプランを描いて活躍して欲しいと思います。

参考:
特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について | 出入国在留管理庁
令和7年末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁