<知っておきたい>永住許可申請の要件変更ポイント
2026年2月24日、出入国在留管理庁より「永住許可に関するガイドライン」の改定が発表されました。今回の改定は、これから永住権を目指す方にとって非常に重要な変更が含まれています。知っておくべきポイントと対策をまとめましたので、是非ご一読ください。
「最長の在留期間をもって在留していること」の条件緩和猶予期間が終了へ
先ずは、基本の確認からになりますが、永住許可には法律上の3つの要件があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| (1)素行善良要件 | 法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。 |
| (2)独立生計要件 | 日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。 |
| (3)国益適合要件 | その者の永住が日本国の利益に合すると認められること |
(3)国益適合要件については、「日本国の利益に合する」と認められるための要件として、以下の項目が挙げられています。この中で、もっとも注目すべき点は、(ウ)についての注釈が変項されたことです。以下は、新しいガイドラインから一部を抜粋したものです。
<国益適合要件として挙げられている項目>
- ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
- イ 罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
- ※ 公的義務の履行について、申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。
- ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
- エ 現に有している在留資格について、法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること。
- オ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
<注釈>
(注1)令和9年3月31日までの間、在留期間「3年」を有する場合は、前記1(3)ウの「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこととする。令和9年3月31日の時点において在留期間「3年」を有する者については、当該在留期間内に処分を受ける場合、その初回に限り前記1(3)ウの「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱う。
これまで(ウ)で、「最長の在留期間をもって在留していること」と記載がある一方で、最後の注釈により、「当面の間、在留期間『3年』を有していれば『最長の在留期間』とみなす」という緩和措置が実質的に期限なしで続いていましたが、遂に今回のガイドラインで、「令和9年(2027年)3月31日までの間」という明確な期限が切られました。つまり、これまでは、最長「5年」の在留期間が設けられている在留資格をお持ちの方でも、「3年」の在留期間が付与されていれば、この要件を満たすことができたのですが、2027年4月1日以降は、「5年(本当に最長の期間)」を持って在留している方しか、永住許可申請を行うことができなくなります。なお、2027年3月31日の時点で、在留期間「3年」を持っている場合は、その在留期限内であれば許可を受けることは可能です。
現在、「3年」の在留期間をお持ちの方が、次の更新で「5年」の在留期間が付与されるという保証はありませんので、「最長の在留期間をもって在留していること」の緩和措置がなくなることにより、永住許可申請のハードルは確実に上がると言ってよいでしょう。
申請は公的年金や公的医療保険料の未納や遅納履歴をなくしてから
申請要件が厳しくなる前に、永住許可申請を行いたいと考えている場合、先ず確認して頂きたいのが、税金、公的年金及び公的医療保険の保険料の未納や遅納がないかということです。
(イ)の公的義務の履行については、今回の変更点ではありませんが、この点については、永住審査において厳しくチェックされているため、改めてご自身の状況を確認しておくことをお勧めします。これらの未納は勿論、遅納があった場合も不許可理由になります。会社員で給与から天引きされている方は安心ですが、「国民健康保険」や「国民年金」を自分で払っている時期があった方は要注意です。領収書や通帳を確認し、納付期限を過ぎてから支払った履歴がないか確認しましょう。
遅滞なく支払っていると確信している場合でも、申請の際は、それを証明できる書類(領収書や通帳の写し)が求められます。もし、遅れがあったり、証明書類が揃っていない場合は、一定期間(直近2年分など、証明が必要な期間)の適正な支払い実績を積み上げてから申請するのが得策です。払い忘れや領収書の紛失を避けるため、税金、年金・保険料などの公的な支払いは、銀行口座からの引き落としにしておくことを強くお勧めします。
在留資格に応じた活動を継続していることは基本条件
なお、(エ)は今回新しく追加された項目ですが、内容としてはこれまでも必要とされていましたので、実質的に大きく変わった点ではないという理解です。在留資格に応じた活動を継続して行っていることを証明することが求められます。もし、活動を変更する(した)場合は、在留資格もそれに応じて正しく変更している必要があります。
今後、日本語能力が要件に追加される可能性も
最後に、今回のガイドラインでは、日本語能力については特に言及されていませんが、2026年1月23日に政府が取りまとめた「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」では、永住許可基準の更なる見直しが課題として挙げられており、「日本語や我が国の制度・ルール等を学習するプログラムを受講することを条件とすることを含めて検討する」とも書かれています。今後、国益適合要件に日本語能力が何からの形で追加される可能性が考えられます。永住許可申請の要件については、引き続き注視して行きたいと思います。
参考:
永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂) | 出入国在留管理庁
外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議
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